まいんど vol.27 | 全日本柔道連盟
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2021.3 Vol.27公益財団法人全日本柔道連盟 事務局参事全国少年柔道協議会中央委員会委員長田中 裕之「疾風に勁草を知る」※Contents特集柔道の本当の魅力、柔道の素晴らしさ、楽しさを知ってほしい 4小学校で柔道体験学習 7全柔連の普及推進事業を紹介! 8全国の普及活動をクローズアップ! 9アスリート委員会が東北3県の小中高生を対象にオンライン交流会実施! 10特別企画フランス人気柔道専門誌L’Esprit du Judoコラボ企画欧米から見た東京オリンピック 22柔道選手と睡眠 26連載柔道を続けよう、始めよう 12やわらたちのセカンドキャリア 14やわら通信 16柔道 for ALL~障がいと柔道 18THE 柔道人 20海外「JUDO」ホントのところ 24柔道ゼミナール~メディカル編 28柔道ゼミナール~栄養&レシピ編 30委員会インフォメーション 322021年度 登録について 39指導者賠償責任保険のお知らせ 40FROM事務局 42「強化と普及は別物」という言葉を耳にすることがありますが、果たしてそうでしょうか。チャンピオンを目指して限界まで鍛える強化と、未経験者や初心者へ柔道の楽しさと有用性を伝える普及事業は、表面的には大きく異なります。しかし、根本理念(基盤)は共通です。柔道を始めた以上、試合で勝ちたいと思うのは当然です。しかし、組み合った相手を単なる〝敵〟としか思えない選手と、互いに競い合い高め合う〝仲間〟と認め合える選手では、最終的にどちらが伸びるかは明らかです。義務感で練習する選手の伸びしろは期待できませんが、柔道の有用性を理解して主体的に学び合える選手は必ず強くなります。甲子園を目指す野球部員が毎朝ゴミ拾いをしている学校があります。なぜ、ランニングや筋トレではなくゴミ拾いなのでしょう。ゴミを拾ったからといって速い球を投げられるようにはなりません。しかし、人の捨てたゴミを進んで拾うことができない選手は、厳しい練習に耐えられるわけがありません。試合に勝つ技術の前に、人としての正しい生き方を目指した取り組みです。技能向上だけを目指すのではなく、全人的な成長を図ることで、最終的には競技面でも大きな成果を上げることができます。その姿勢こそ、柔道修行の本道です。練習はつらくとも、人として成長できるから喜びが生まれるのです。これはトップレベルの強化選手も経験半年の初心者も変わりはありません。全柔連の登録人口は減少傾向が続いています。今年度はコロナ禍も加わり、落ち込みが激しくなりました。危機的な状況ですが、課題が明らかになったことにより、改革の好機にもなっています。表題の言葉は、激しい風が吹けば本当に強い草がわかる=困難に遭って初めて本当の強さがわかる、さらに困難に立ち向かうことで鍛えられ成長できるという意味ですが、まさに今の柔道界にぴったり当てはまります。大会を開けなくても、柔道の本質的な良さを伝える取り組みが全国各地で行われています。勝利の喜びは一瞬ですが、柔道のおかげで人として成長できたという喜びは一生ものです。柔道は、子どもからお年寄りまで一生涯かけて高め合っていく永遠の修行の「道」です。普及事業は単なる客寄せイベントではありません。嘉納治五郎師範が説かれた〝精力を最善活用して、自他を融和して共に栄える〟という柔道修行の尊い価値を広く啓発する取り組みです。2021年度も全柔連は、正しい柔道普及に取り組む各県、地域を全面的に支援していきます。※『後漢書』王覇伝3まいんど vol.27

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