▶新型コロナウイルス感染症対策と柔道練習・試合再開の指針(第3版)▲医科学委員会で感染対策を行い大会を実施。写真は皇后杯での消毒の様子心に「新型コロナウイルス感染症対策と柔道練習・試合再開の指針(第1版)」を取りまとめ、2020年6月17日に公表しました。その後も刻々と変化する社会情勢に合わせ、現実に即した内容となるよう改定を積み重ね、7月27日には第2版、年が明けて2021年2月12日には第3版(左表)を発行する運びとなりました。この方針を見た全国の柔道関係者からはたくさんのご質問をいただき、執筆当事者として感謝しております。 夏を過ぎたころからようやくコロナが収まってきたこともあり、講道館杯を10月末に開催することが決定しました。全柔連主催の大きな大会としては、2019年11月のグランドスラム大阪以来実にほぼ1年ぶりとなります。従来、医科学委員会としてはこの大会には7名程度のドクターを中心に10数名の救護体制で対応してきましたが、今回は選手に対する検査の実施をはじめ多岐にわたる感染症対策の責務が新たに加わったため、ドクター19名を含む25名というかつてない大掛かりな体制で臨みました。 その後に開催された男子66㎏級オリンピック代表選考会、全日本選手権、皇后盃においても感染症対策の面で、医科学委員会が主体的な役割を果たすこととなりました。テレビでご覧になった方も多いかと思いますが、救護補助係もこれまでのスパインボードを使った救急搬送だけでなく、畳の消毒についても専門的な役割を与えられることとなりました。2021年度に臨んで さて、2021年度は東京オリンピックが開催できるかどうかで、柔道を含むスポーツ界の行方が大きく左右されることでしょう。コロナ感染は必ずしも短期間に収まる気配は見せておりませんが、ワクチンの開発も進んでおり、関係者のさまざまな努力でなんとかこの難局を乗り切りたいものです。 医科学委員会としては、引き続き全柔連主催の柔道大会で医学的な面から協力することはもちろんのこと、前年度にできなかった救護講習会や医科学研究会をオンライン開催することを検討したり、「コロナと柔道」というテーマでさまざまな視点から調査・研究活動を行い、地道なデータ蓄積に努め、柔道界のみならずスポーツ界全体にとっても大いに参考となるような知見を追い求めていく所存です。33まいんど vol.27
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