化の程度は異なるのかも検証した結果、硬さパターンの異なるマットレスに寝たときの仙骨前傾角度の差は、体重やBMIと強い正比例の関係があることが明らかになった。つまり、体重が重い、もしくはBMIが大きい場合、腰部が柔らかいマットレスに寝ると、より腰椎が一直線に近い姿勢になりやすいということである。 以上のように、マットレスの部分的な硬さの違いは寝姿勢に影響を与え、その程度は体重やBMIの影響を受ける。実際にどのような寝姿勢が各個人にとって理想的かは明らかにできていないため、各選手がどのようなマットレスを選ぶべきかについてはこのデータからは言及できない。しかし、一般人よりも体重が重いことが多い柔道選手の寝姿勢は、マットレスの硬さの影響を受けやすい可能性がある。そのため、椎間板や腰部周囲の組織へ負荷をかけず、筋肉がよりリラックスした姿勢で睡眠できるようなマットレスを、個人に合わせて選択することが重要である。アスリートと寝具株式会社エアウィーヴが創業当初より続けてきた研究では、寝具の違いが睡眠やスポーツパフォーマンスに影響を及ぼすことが明らかとなっている(図6-1、6-2)。このことから、より良いパフォーマンスを実現するためには、寝具にも留意する必要がある。前述のとおり、寝具は寝姿勢に影響を及ぼし、体型によってその影響の程度は異なるにも関わらず、これまで寝具を個人に合わせるということはほとんどなかった。しかし、アスリートは競技によって、その競技特性から筋肉量や筋肉の付き方が異なるため、寝具も個人の体型に合わせたものの使用を推奨したい(図7)。エアウィーヴのマットレスは中材が3分割仕様となっており、硬さの異なる中材パーツを入れ替えることで、部分的に硬さを変えることができる。また、これまでの研究データから、体型を測定するだけでその体型に適した硬さパターンの提案も可能である(図8)。現時点では、寝具をカスタマイズすることの有用性に関するエビデンスは十分ではないが、就寝時の身体への負担を軽減し、より効率的に回復するためにも、一つの選択肢としてもよいのではないだろうか。全日本柔道連盟×エアウィーヴ新コラボ企画!当連盟オフィシャルサプライヤーであるエアウィーヴの製品を全柔連登録会員限定で割引販売致します。詳細は後日、全柔連ホームページにて掲載いたします。図3各マットレスに仰向けで寝た際の脊柱姿勢。男子ウエイトリフティング選手の例。黄色線:上半身の沈み込み距離。 橙色線:仙骨の前傾角度図4 各マットレスの上半身の沈み込み距離図5 各マットレスの仙骨の前傾角度図7 体形に合わせて寝具をカスタマイズするメリット図6-2 寝具の違いが運動パフォーマンスに及ぼす影響図6-1 寝具の違いが睡眠、深部体温に及ぼす影響図8 体型に合わせてカスタマイズ可能なベッドマットレス柔道選手と睡眠特別企画27まいんど vol.27
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