▲カメルーンの練習風景ブダペスト・グランドスラムへの参加とメキシコでのパンアメリカ選手権の間は30㎡のアパートで腕立て伏せ、体幹トレーニング、打ち込みなど以外は、人によっては1か月くらい練習ができない状況でした。オリンピックの年としては、一流選手の練習のレベル、ペース、状況ではありません。 気分の落胆と状況の格差3月初旬のオリンピック議定書を認識し、2012年のオリンピックメダリストであるベルギーのシャルリーヌ・ファンスニックは、よくある意見や質問を、以下のようにまとめています。「オリンピックは、最初は延期され、最終的には無観客で外国人の観客や我々の家族も来ないという状況ですが、これは心理的な影響がとても大きくなります。私の意見では、日本人ではない選手にとって不公平な形に感じます。素晴らしいパフォーマンスの後も称賛を得ることができず、他の競技で同じ国の選手の応援サポートもできなくなります。日本は最善を尽くしているとは思いますが、状況はひどいです。このオリンピックはどうなりますか? この素晴らしいスポーツの祭典でオリンピック精神はどう残りますか? すべてのグランドスラムは1年のスケジュールを半年で行い、ヨーロッパ選手権は半年で2回、世界選手権もあり、悲しいことですが、オリンピックはもう1つの大会というようなことになります。そんなことを言う日が来るとは思ってもみませんでしたが、それが私たちの現実です。マラソンをするように言われ、フィニッシュラインを伸ばされ、あと10㎞あると言われ、その後、ゴールがあるかわからないと言われ、最後にメダルがあったとしても、お祝いもされないと言われたというイメージです」。オリンピックと言っても、オリンピックになるのでしょうか? その精神、それにつながるエピソード、これらすべては、いずれにせよ断ち切られます。 達成の問題実際、オリンピック達成のための途中経過にある気分が盛り上がっていく部分が、必然的に途中で失われてしまいます。このオリンピックは、明らかに日本の主催者に起因するものではありませんが、オリンピックに対する期待には、おそらく応えられないでしょう。3月初旬にヨーロッパのメディアによって広く報道された、日本国民のオリンピック開催に対するネガティブな印象は、私を楽観的な気分にさせてくれません。それでも、まだ戦うべき戦いと戦うべきメダルがあります。「オフレコ」で、数人のフランス人の選手が落胆気分と早く全部決めてほしいということを口にしています。女子チームの世界チャンピオンの1人は「大会の復活と、IJFがグランドスラムの開催を可能にしたことによって、私たちの心に幸せを与えてくれました」。東京? はい、それだけを考えないといけませんが、開催には確実性がないことも頭にあります。オリンピックまで、どのようになりますか? 予防接種を受けられるとしても、受けたいかどうかさえわかりません。追い込まれることに慣れている選手は精密機械のような肉体ですが、そのような選手のなかにも不安を抱え、そして何人かはうつ病にさえなっています。 予防接種に対しては平等?ワクチンは間違えなく解決策でしょうが、未知のものです。ヨーロッパからアフリカ諸国への旅行のときのような、昔からあるワクチンパスポートが標準になると想像しています。ドイツ人、フランス人、イタリア人にとっては、実際にはそれほど問題ではありませんが、医療制度があまり発達していない国ではどうなるのでしょうか? 世界的な予防接種政策は、間違いなく早い段階で現地の現実とぶつかるでしょう。到着後の2週間、同じ国の選手との試合2日前からの隔離、そしてその時点での陽性の可能性もあり……、東京2021が実現されれば、期待と恐怖心が混在すると想像できます。結局、このオリンピックは今までとは違うということを理解しなくてはいならないでしょう。
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