◀「安全で楽しくできる」練習方法をいろいろ紹介しています 今回、全日本柔道連盟知的障がい者柔道振興部会において、より安全な柔道の普及を目的として、知的障がい者柔道の指導手引きとなる『ID柔道ハンドブック』を制作しています。 内容は、2020年10月に発表された全日本柔道連盟ID柔道試合審判特別規程の説明や安全な柔道を行うための指導法・練習方法の紹介、世界や日本のID柔道の歴史と現状となっており、柔道の可能性をより多くの方に知っていただくためのハンドブックとなっています。 全日本柔道連盟は「柔道 for ALL」をテーマに掲げ、「老若男女、障がいがある方々にも開かれた柔道界を目指す」ことを目標に事業を推進しています。 「知的障がい者柔道振興部会」はその一翼を担う組織として、2018年1月に全日本柔道連盟の専門委員会の一つである「教育普及・MIND委員会」の部会の一つとして誕生しました。その目的は知的に障がいがある方々への柔道普及と障がいの有無にかかわらず、互いに尊重しあう社会づくりにあります。 日本国内における知的障がい者柔道は、これまで特別支援学校での授業、病院や施設での治療およびリハビリ、柔道場やクラブでの練習として行われてはいたものの、試合を含む競技活動はほとんど行われておりませんでした。 「知的障がい者柔道振興部会」設立後は、多くの国内外関係者の協力を得て、これまでに2度の「全日本ID(知的障がい者)柔道大会」を開催。そして全国から多くの指導者の参加を得た「ID柔道安全指導研究会」を重ね、2019年5月にはスウェーデンで開催された国際柔道大会に全日本柔道連盟として初めて知的障がい者選手5名を海外派遣いたしました。 このように振興を進めておりますが、知的障がい者柔道を振興するうえで一番大切なことは、柔道を「安全」に行うということです。 知的障がい者柔道では、選手の「安全」をより確保するための特別なルールを採用し、安全で楽しく柔道に親しむことができる環境を整備することは何よりも重要と考えています。 『ID柔道ハンドブック』の創刊にあたっては、知的障がいがある方、またその保護者・関係者、そして柔道指導者のみなさまに、まずは「知的障がい者柔道を知っていただくこと」、そして「安全な方法で柔道を楽しんでいただくこと」を念頭に作成しました。 柔道を通じて、障がいの有無に関係ない共生社会づくりに貢献できるよう、これからも活動を続けていきます。柔道 for ALL〜障がいと柔道知的障がい者柔道の指導手引き『ID柔道ハンドブック』4月発刊「ID(知的障がい者)柔道ハンドブック」2021年4月完成予定※ID:Intellectual Disability[お問い合わせ先]一般社団法人全日本柔道連盟知的障がい者柔道振興部会 18まいんど vol.27
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