特 集 柔道の本当の魅力、柔道の素晴らしさ、楽しさを知ってほしいインタビューでも紹介したように全国各地では独自の普及活動が展開されています。ここでは3県の活動について紹介します。全国の普及活動をクローズアップ! 「4年ほど前から『新春のつどい』と称して年明けに県内の小中学生が一堂に会して合同稽古を行っています。遊びを採り入れた練習を行ったり、一緒にお汁粉を食べたりして、ひととき楽しい思いができる時間を作っています。 自分の所属している道場や部活以外の子と稽古することで刺激を得てほしいと思っていますし、柔道をやっていれば楽しいことがあるんだよ、仲間がいるんだよ、ということを感じてほしいと思って開いています。また、毎年11月3日を青森県の「柔道の日」と制定、合同稽古をしたりしています。 昨年度は全柔連の公募で採択された、『MIND作文コンクール』を実施しました。当初はまず、指導者を対象に講習会を行い、MIND精神を理解してもらい、各道場で浸透を図ったのちに作文を募集する予定でいたのですが、コロナ禍のために作文の募集のみとなりました。それでも110名近い応募があり、大変うれしく思った次第です。作文集はそのなかからいくつかを選んでまとめたものです。作文については、今後もまた別のテーマで募っていきたいと考えております」(青森県柔道連盟 笹木正信会長) 「連盟内の組織作りをこつこつ進めながら、普及活動を行ってきました。勝利至上主義ではなく、柔道が楽しい、おもしろいと感じられるような普及をしていくことが最も大事であり、これを基本的な考え方としています。勝ち負けに魅力を感じさせるのではなく、柔道そのものの魅力について、全国の柔道関係者はもっと真剣に考えなければいけないと思っています。 昨年度は公募制度で採択された初心者向けの柔道体験会を開催する予定でいたのですが、コロナ禍のため中止となってしまいました。来年度はどうにかして開催したいと計画しています。また、『ヤワラちゃん体操』ももっと活用できないかと考え、準備を始めているところです。 ほかにも、指導者養成に力を入れ、基本技術講習会をはじめ、審判講習会も開いています。また、JUDO女性交流会は女子柔道振興委員会が中心となって開催しているものです。初心者向けの柔道や受身体験の時間を設けたりリズム体操を行ったりと、親子で参加しやすい内容にもなっています。柔道経験者のみなさんや子どもが柔道を始めたのをきっかけに自分も習い始めたというお母さんたちの交流の場としても非常に良い機会となっています」(新潟県柔道連盟 立川克雄会長)11月3日は『青森県柔道の日』に制定。年明けには『新春のつどい』を開催。勝ち負けではなく柔道の魅力で普及を。指導者講習や女性交流会を開催して幅広く活動 「日々忙しい毎日ですが、できる範囲でいろいろと普及活動をやっております。 毎年10月には京都市スポーツフェスタで未経験者向けの体験ブースを設けて、柔道体験をしていただいております。6畳くらい畳を運び、中学生の柔道部員に手伝ってもらったりして、相手になってもらっています。これでどのくらい人口が増えているのかまで調査はできておりませんが、1日70〜80人程度の参加があり、なかなか好評です。ほかに『MIND』の啓発のための作文集を作ったり、横断幕を大会会場に掲げたりということもしています。 ここ数年感じているのは、観客席の応援マナー向上です。やはり何もしないより何かしたほうがいいということですね。MINDの考え方が浸透しているのを感じます。昨年の公募制度で採択された幼児向け柔道絵本製作は、作成者である井上奈美さん(大谷中学高校学校非常勤講師)がもともと作っておられたものです。おかげさまで大変好評をいただいておりまして、第2弾、第3弾作成へと進んだ次第です。こういうアイデアは連盟事務局からはなかなか出てくるものではありませんから、これからも若い人のアイデアを生かした事業を行っていきたいと考えております」(京都府柔道連盟 友成修治事務局長)初心者向け柔道体験会は大好評。柔道絵本は第3弾も!◀作文集『MIND京都』。子どもから指導者まで28人の作文が紹介された青森県京都府新潟県◀2020青森県少年柔道MIND作文集9まいんど vol.27
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