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お知らせ

【女子柔道振興委員会】JJ VoiceNo.63 谷本 歩実さん

プロフィール

谷本 歩実(たにもと あゆみ)1981年 愛知県生まれ
日本オリンピック委員会 理事
講道館柔道女子五段

主な戦績:

2004年 アテネ五輪 63㎏級 金メダル
2008年 北京五輪 63㎏級 金メダル

皆さん、こんにちは。横澤由貴さんよりバトンを受け取りました、谷本歩実です。
このような機会をいただき、改めて現役時代を思い返す懐かしい時間となりました。志した道のりは険しいものでしたが、それでも今となっては楽しかった出来事が頭いっぱいに浮かびます。

さて、今回のJJ Voiceでは、私の「柔道哲学」について、お話しさせていただきます。
小学3年生で柔道に出合い、高校に入学するまで稽古は、週に2回「武道としての教育的な柔道」を学んでいました。その後、地元の高校を経て筑波大学に進学し、初めて強化を主とした「スポーツとしての競技柔道」に出合います。乱取では、先輩方に胸を借りるも全く歯が立たず、ただただ受身を取り続ける日々でしたが、柔道が大好きだった私にとって組み合える喜びは一入でした。しかし一方で、武道とスポーツの狭間に抱く違和感に葛藤を繰り返す日々でもありました。

後に出合った嘉納師範の書に、『形や乱取の(略)修行の結果、精力善用自他共栄の原理を体得し、人生すべての問題を解決することが出来る』との言葉がありました。「体得」とは、成し得てこそだと捉えた私は、「武道」と「スポーツ」を融合した柔道スタイルが見出せないかと模索しました。精力善用・自他共栄の原理を追究し、その人格の形成となるプロセスを「一本柔道」と表現することで自分なりの柔道哲学として涵養しました。

引退後は、世界各地で柔道の普及活動に携わり、たくさんの柔道家と出会う機会にも恵まれました。日本では、あまり馴染みのない習慣ですが、柔道修行の方法である「形」「乱取」「講義」「問答」の一つとして、ヨーロッパ諸国では、稽古後の「問答」を皆さんとても楽しみにされていたのが印象的です。真剣に耳を傾けてくださる方々を前にいつも身が引き締まる思いでした。こうして多様な哲学や思想に触れながら、改めて柔道には普遍的な価値があることを感じました。

現在私は、日本オリンピック委員会、日本スケート連盟の理事としてスポーツに携わっています。ここでもまた、それぞれの哲学や情熱を持ったアスリート、そしてスポーツを支える方々に出会い、深い学びを紡ぎ出す掛け替えのない時間を過ごしています。

最後になりましたが、柔の道を志す後輩の皆さんへ、僭越ながらメッセージを送ります。
皆さん、「ありがとう」の反対言葉をご存知ですか?漢字にすると「有ることが難しい」と書きますよね。そう、「当たり前」なんです。コロナ禍の生活で当たり前を失って、これまで以上に有り難みに気が付くことが増えました。スポーツの中でも柔道は、特段感謝が隣り合わせの競技です。言ってみれば感謝なくして、柔道は成り立たないということです。一人では出来ませんから。柔の道には、学びが溢れています。皆さん、仲間を大切に、大きな心を持って、これからもたくさんのことを吸収してください。

活動写真(スピードスケートの会場にて)

次回は、谷本さんの大学時代の恩師である中村良三先生が登場します。

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