平成20年全日本選抜柔道体重別選手権大会第1日目結果
大波乱の幕開け!
野村、上野ら有力選手が次々に敗れる
いよいよ本番だ。午前8時30分、会場が開くと同時にたくさんの観客が押し寄せた。準備に追われる関係者、アップをする選手たち、そこにファンが加わって、緊張感が会場を包む。選手たちの応援団も熱い。ミキハウスの「赤」、了徳寺学園の「緑」、綜合警備保障の「青」、コマツの「黄色」と、カラフルな色で観客席を染めている。なかには鉢巻きを頭に巻いた人もいて、戦闘モード満々だ。
盛り上がる会場に比例したのか、試合は荒れた。
1回戦で78kg級・中澤さえが平岡麻美に抑え込みで、78kg超級・薪谷翠が駒木奈緒美に敗れると、2回戦で60kg級・野村忠宏、66kg級・秋本啓之、81kg級・高松正裕が姿を消す、という大波乱になってしまった。その一方で、アテネ以降不調が続いた内柴正人、世界戦3位の金丸雄介、60kg級注目の平岡拓晃、今大会5連覇がかかっている塚田真希らが順調に勝ち上がり、決勝を迎えた。
ドラマティックだったのは81kg級の決勝戦だ。小野卓志対加藤博剛。ポイントは加藤の「効果」2と、指導による小野の「効果」1。果敢に小野が攻めるが決まらない。そのまま試合は流れ、ブザーが鳴り、会場の誰もが加藤の勝利だと思った瞬間、審判の「指導」が加藤に入り、小野の劇的な勝利が決まった。小野の応援団からはため息から喜びの悲鳴に変わった。
喜びの涙、悔しい涙、たくさんの涙が見られた大会初日が終わり、北京代表争いはまったくわからなくなった。
優勝者は次の通り
60kg級・平岡拓晃/66kg・内柴正人/73kg・金丸雄介/81kg・小野卓志
70kg級・岡 明日香/78kg級・穴井さやか/78kg級・塚田真希
☆ 観客席から
大会終了後に開かれる「九州選抜中学生柔道体重別団体優勝大会」に出場する選手たちが、熱い声援を送っていた。
渡邉英貴君(坊泊中3年)
「野村選手の柔道が好きです。試合での組み手、練習前の打ち込みなど観ていると参考になります。まだマネはできないけど、午後、僕も頑張って、いずれはこの舞台に立てるようになりたい」
保池泰成君(田検中3年)
「鈴木桂治選手のファンです。今日は鈴木選手は出てないけれど、トップ選手たちばかりなので、やはり技に入るタイミングとか勉強になります。僕もいつかこの舞台に立てるようになりたいです」