大会レポート
王子谷、3度目の天皇杯を制す
昨年の大会覇者・王子谷剛志(旭化成)の連覇なるか。それとも、決勝で敗れた上川大樹(京葉ガス)が雪辱を果たすのか。あるいはまたリオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜(日本中央競馬会)が2年ぶりの王者に返り咲くか。七戸龍(九州電力)悲願のタイトル獲得なるのか。大会初参戦の73kg級世界チャンピオン・大野将平(旭化成)は重量級を相手にどのような戦いを見せるのか。4月29日、見どころ満載の全日本選手権が日本武道館で開催された。
注目選手のうち、2回戦で原沢が、3回戦で上川が敗退。準決勝に王子谷、七戸と、先の選抜体重別100kgを制したウルフアロン(東海大4年)、5年前この大会で優勝しているベテラン加藤博剛(千葉県警察)が顔を揃え、決勝には王子谷、ウルフアロンが駒を進めた。
東海大の先輩後輩という同門対決はゴールデンスコアにもつれ込み、終始攻撃を封じ込められたウルフアロンに3つ目の「指導」が入って、王子谷の大会2連覇、3度目の優勝が決まった。
もう一人の注目選手、大野は緒戦で池田賢生(日本中央競馬会)と9分54秒の死闘を繰り広げたものの、大外刈で一本負けとなった。
女性審判員、全日本の畳に立つ
第69回目となる全日本選手権にこの日、三人の女性審判員が畳に上がった。松田基子審判員、天野安喜子審判員、樽谷哲子審判員だ。大会終了後、「安定した采配で、男性と比べ何ら遜色はなかった」と西田孝宏審判委員長はその采配に合格点を与えた。
戦いを終えて
この日、注目選手たちと変わらぬ声援を受けていた選手がいた。大会出場回数6回を誇る百瀬優だ。『本大会で引退します。今まで支えてくれた家族・両親に感謝の気持ちを持ち、畳へ上がります』(大会パンフレットより)という百瀬。その強い気迫が感じられたのは2回戦。優勝を狙う原沢を試合開始38秒、送襟絞めで落として3回戦に駒を進めた。
自身最後の対戦相手となったのは大学の先輩であり、大会優勝経験もある加藤。試合は残念ながら「有効」で敗れたが、万感の思いが感じられる一礼をした後、加藤に歩み寄って頭を下げて握手をし、再び頭を下げ、こみ上げる涙を拭いながら畳を降りた。
大会終了後、王子谷の優勝を祝う記念撮影が終わった後、家族とともに畳に上がり、現役の畳に静かに別れを告げる百瀬の姿があった。
大会結果
優 勝 王子谷剛志(推薦)
準優勝 ウルフアロン(東京)
第三位 七戸 龍(九州) 加藤 博剛(関東)
第五位 尾崎 央達(東京) 垣田 恭兵(九州) 上川 大樹(推薦) 百瀬 優(九州)
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組合せ
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※4/7 №9 ベイカー茉秋 怪我の為欠場
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