プロフィール
菊池 としえ(きくち としえ/旧姓:加藤)1973年 神奈川県生まれ
傑建設(自営業)勤務 大仁柔道会 副代表(静岡県)
講道館柔道女子五段
主な戦績:
1990年 全国高校柔道選手権大会 52㎏級 優勝
1992年 全日本実業柔道個人選手権大会 56㎏級 優勝
1993年 環太平洋柔道選手権大会(ニュージーランド) 56㎏級 準優勝
1995年 全日本選抜柔道体重別選手権大会 56㎏級 準優勝
転機と原点の教えについて
5年ほど前から、勤めていた介護職を離れて主人と建設会社を設立しました。同時期に、子育てしながら柔道を楽しみ地域のコミュニティーができたらとの思いで、チビッ子親子柔道教室もスタートしました。
遡れば、私と柔道との出会いは、親の都合で引越した大阪での中学生時代でした。元々、運動が好きでどんなスポーツにもチャレンジしていましたが、当時、父親の暴力や友達の虐めもあり「強くなりたい!」という思いと、柔道部顧問のすすめもあり初の女子部員としての入部となりました。当時、顧問の西村先生は女子の指導は初めてで時に厳しくも熱心に指導して下さいました。また、高校時代は、夙川学院に通学しながら地元の山田体育館にも通い少年柔道指導者の先生方に基本をしっかりと指導していただきました。
高校卒業後入社した三井住友海上女子柔道部にてオリンピックを目指す中で、選手引退後は少年柔道の指導者になりたいと強く思う様になりました。そんな私に現役引退後、講道館から西アフリカへ少年柔道普及と形指導の講師として海外派遣のお話をいただきました。異文化や柔道を知らない子どもたちへの指導は、大変勉強になりました。恵まれた日本という国では考えられない経験でした。
その後、結婚して静岡県にて3人の子供を授かり、子育てや仕事をしながら大仁柔道会で24年間少年柔道指導に携わって参りました。この原点があり、『親子柔道』をスタートしました。
静岡県柔道協会では平成23年に、女子柔道の取り組みとして「親子柔道教室」が各地区で始まりました。地域としての活動を増やすことで、女性がもっと気軽に柔道ができたり、色々な関わり方があっても良いのではないかとの思いもあり、伊豆の国市生涯学習課の講師として「チビッ子親子柔道教室」をスタートしました。
沢山の親子との交流の中で、大人からチャレンジすることや嘉納治五郎師範の教えを学び、「人づくりの柔道」を感じています。他にも沢山の出会いもあって、ろう者柔道や視覚障害者柔道、ID柔道、発達凸凹柔道など様々な柔道も勉強させていただいております。
コロナ禍で、当たり前のことが当たり前で無くなったり、辛いことや悲しいこともあったと思います。
『親子柔道』を通して、「己を完成し世を補益する」今まで沢山の方々に支えて頂いた自分が、これからは沢山の人の支えになれたら嬉しいです。
次回は実業団時代の同期生であり、アトランタオリンピック金メダリストの恵本裕子さんが登場します。