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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.144:土屋美奈子さん

土屋 美奈子(つちや みなこ)  1990年 静岡県生まれ
シンプレクス・ホールディングス株式会社
講道館柔道女子初段

主な戦績
2024年 パラリンピックパリ大会 クラス J1 階級 70kg級 出場
2023年 杭州アジアパラ競技大会 クラス J1 階級 70kg級 準優勝

皆様、こんにちは。
パラ柔道をしております土屋美奈子といいます。

このたび、女子柔道振興委員会の方から推薦を賜り、JJ Voiceを執筆させていただくことになりました。拙い文章ですがどうぞ最後までお読みいただけますと大変嬉しく思います。

私は、パリパラリンピックでメダルを獲得するためにこれまで活動してきました。しかし、結果は初戦敗退という悔しいものになってしまいました。そこで、柔道大国フランスで試合をした感想やパラリンピックに出場して感じたことを中心に私が柔道をしていて感じることをまとめたいと思います。

私は生まれつきの視覚障害で目が全く見えません。もちろん、柔道は目で見たこともありませんし、オリンピックで行われている柔道も経験がありません。では、どのようにして柔道の動きを覚えていったのか、それは、手で触ることと指導者から動きを言語化してもらうこと。そして、実際にやってみることです。しかし、言語化するというのはきっと難しいスキルなのだろうと感じています。なぜなら、指導者によってはオリンピックの〇〇選手はと説明することが多いからです。私は前述の通り柔道の動きを目で見たことがありませんので、実況中継などを聞いていてオリンピック選手の技がいかに素晴らしいことか理解できても形が知りたくてもわからないからです。

例えば、一本背負い投げで有名なオリンピック選手の古賀稔彦さんを例に説明するとします。古賀さんの一本背負いはすごいという説明を受けた時、まず一本背負い投げと言う形から入らなければなりません。一つ一つの動きを手で触って確認しながら実際にそれを行います。一回で終わる動きを一つ一つバラバラにして最終的には1つの技が完成するという形です。プラモデルに例えるとわかりやすいかもしれませんね。このような形でたくさんの技を言語化や体全体で感じることによって形を知り、まずやってみることに入ります。これを何度も何度も繰り返して今に至ると思っています。

私の恩師は「努力は続けること繰り返すこと。それを続けるには体力。体力は、気力、持続力、免疫力である」ということをたくさん話してくれました。ブラインドの選手が柔道を続けるには体力と努力が必要と感じています。

さて、パリパラリンピックの話に入りましょう。

今回も皆さんの応援のおかげあってパラリンピックに出場することができました。日本中にパラ柔道を知ってもらうためにはメダルを取るしかないそのように感じていました。なぜなら、今でも多くの地方で柔道を始めたくても始められない視覚障害者がいるからです。しかし、前述の通り結果は初戦敗退。トーナメント戦だったため、1試合で私のパラリンピックは終わりました。1試合の中にフランスで柔道の試合をするということがいかに素晴らしいことかを感じることができたように思います。会場に私の名前がコールされたとき、観客席にいたフランスの方々美奈子コールをいただきました。これは大変嬉しいことです。そして、勝者も敗者も讃える声援があり、しっかりと悔しさを抑えつつ畳を降りることができました。柔道は礼に始まり礼に終わると言います。それは頭でわかっていても私は今まで悔しさのあまり礼法にまで頭が回らなかったことがほとんどでした。しかし、今回は、心が乱れている中でもきれいに礼法ができたと思います。それはこれからも続けていきます。そして、今月の全日本大会、ロサンゼルスパラリンピックに向けてのポイントレースが始まります。3大会連続でメダルが取れなかった事はやはり悔しいです。メダルが欲しい。欲しいものは欲しいと言う気持ちは変わらないので、今日の自分が今までの自分より1番強いと思ってまた稽古を続けていきます。

最後にここまで柔道してきて感じた事は、練習場所が充実しているところと充実していないところの地域差があるということです。柔道場は日本にもたくさんあります。その中でまだまだ多くの柔道場で視覚に障害がある人が柔道を始めたいと行動しても練習を断られてしまうところが大変たくさんあり、当事者から話をたくさん聞きます。まずは各県で1つ視覚に障害がある人も稽古できる柔道場があり、柔道を始めたいと思った時に始められる環境が必要なのだなと思っています。私も将来的には指導者になりたいと考えています。しかし、そこに至るまでには資格や必要なことがまだまだあると感じておりますので、一生精進していきます。

このような執筆機会をいただきましたことに大変感謝申し上げます。

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